目次

はじめに

入門編ではHaxeの基本をざっくりと見ていきます。 目標はHaxeの概観を得ることです。Haxeの公式ドキュメントはよく整理されていて、内容も親切で読みやすいです。

このチュートリアルでは、なんらかのプログラミング言語の経験があることを想定しています。 プログラミング自体の入門用として読まれることは考えられていません。

Haxe言語は、ActionScriptの影響を強く受けた言語です。オブジェクト指向をベースにして、モダンな機能を多く取り込んでいます。言語は素直で直感的なものです。ActionScriptの経験がなくても、JavaScriptやC#やそれらに近いなんらかの言語の経験があれば覚えるのは簡単です。

Haxeの特徴

Haxeの最大の特徴はなんと言っても、Haxe言語で書かれたソースコードから、別の言語のコードを生成することです。マニュアルによると、サポートされるターゲットは現在次のとおりです。

名前 出力 用途
JavaScript ソースコード ブラウザ、デスクトップ、モバイル、サーバー
Neko バイトコード デスクトップ、サーバー、コマンドライン
HashLink バイトコード デスクトップ、モバイル、ゲームコンソール
PHP ソースコード サーバー
Python ソースコード デスクトップ、サーバー
Lua ソースコード デスクトップ、スクリプティング
C++ ソースコード デスクトップ、モバイル、サーバー、ゲームコンソール
Flash バイトコード デスクトップ、モバイル
Java ソースコード デスクトップ、モバイル、サーバー
JVM バイトコード デスクトップ、モバイル、サーバー
C# ソースコード デスクトップ、モバイル、サーバー

このうち、Nekoというのは、実質HaxeのためのVMと言っても良く、インストール時にインストーラーやパッケージマネージャーを使ってインストールしたなら一緒にインストールされています。特にそう定められているわけではありませんが、デフォルトのターゲットとして認識しておいても良いでしょう。

Haxeの言語に目を向けると、次のように書かれています (Introduction to the Haxe Language)。

特に驚くようなことは書かれていないかと思います。実際、Haxeの言語だけに注目した場合、驚かされるようなことはなく、安心して学ぶことが出来るようになっています。

Haxeの歴史

Haxeのプロジェクトが開始したのは2005年だそうです。2006年にバージョン1.0がリリースされます。2008年にバージョン2.0がリリースされます。2012年にバージョン3.0がリリースされます。2019年に4.0がリリースされます。

結構長い歴史があるのですが、自分が初めてHaxeのことを知ったのは2年ほど前の2022年頃です。その間、あまり熱心に情報収集をしていなかったことを加味しても、大々的な宣伝が行われてこなかったことは間違いないでしょう。