パソコン購入ガイド

どんなパソコンを買うか決める前に、まずOSを考えると良いでしょう。普通だったらWindowsパソコンかMacパソコンかと悩むかもしれません。しかし、本気でプログラミングをするなら、LinuxあるいはFreeBSDが最高のOSであることを強調しておきます。これらのOSはOS自体のソースコードを自由に入手することができるので、プログラミングを学ぶ上でこれ以上のものはないし、プログラミングに適した環境にチューニングされているので、WindowsやMacよりはるかに快適な環境です。

いいことばかりではなくて、WindowsやMacのように使える状態になったものを購入するのではなく、自分でOSをインストールしないといけないこともあり、初めての人にはややハードルが高くなります。また、ほとんどは自力で解決可能ではあるのですが、トラブルがやや発生しやすいこともあります。慣れないうちはなかなか厳しいかもしれません。

それで、おすすめしたいのは、まずWindowsである程度パソコンに慣れてからLinuxに移行するように段階を踏むことです。なぜWindowsかというと、Macは高価であることと、自分でパソコンのパーツを交換したりするのが難しいからです。Windows用のパソコンには自作PCと呼ばれる市場があります。これはパソコンに使われているパーツを個別に購入して、自分で取り付けて組み立てるものです。自作というと大げさで、ちょっとした知識があればできる簡単な作業です。プラモデルを組み立てるよりも簡単です。プログラミング用途のパソコンであるなら自作PCが激しくおすすめです。しかし、やはりOSを自分でインストールしないといけないのもあり、まだ一度もパソコンを触ったことがない状態で出来るかと言うと微妙なところなので、別の選択肢を提案してみます。

先の自作PCですが、それらのパーツを取り扱っているPCショップと呼ばれるお店があります。その中には、中古のパソコンを取り扱っているお店があります。地域によってなかったりするので、遠出しないといけないケースもあるかもしれません。最後に地元のお店に足を運んだときは、2〜3万円位で、第7世代のIntel CoreというCPUを搭載したPCが売られていました。Windowsもインストール済みです。最初のパソコンにはうってつけだと思います。ただ、常に手に入るわけではなく、曖昧な情報なので参考程度にしてください。言いたいのは、高いパソコンを買う必要は全くなくて、使い捨てるつもりで、こういったものでも十分であるということです。Windowsでまずパソコンに慣れたら、Linuxに入れ替えることも出来ますし、Windowsが気に入ったらそのまま使い続けることが出来ます。十分にパソコンに慣れてきたら、次の新しいPCは自作PCに挑戦すると良いでしょう。

Linuxと自作PCはプログラミングに最適な組み合わせであることは間違いありませんが、WindowsやMacが必要になるケースもあります。例えば、iPhoneアプリを開発したいとかなるとMacが必要です。他には、ちょっと局所的な例ですが、DirectXやMetalといったグラフィックスの機能を使いたいとかなるとWindowsやMacが必要です。消極的なケースだと、就労先でWindowsやMacの開発をしないといけない場合などがあるでしょう。

最後に、もう一つ候補を上げておきたいと思います。完全なパソコンではなく、シングルボードコンピューターと呼ばれるものでプログラミングを学ぶことです。特に、Raspberry Piは有力な候補です。つい最近(2024年3月時点)、新しいモデルのRaspberry Pi 5が日本でも買えるようになったばかりです。Raspberry Pi 4は品薄で購入できない期間が長く続きました。5はおそらくそんなことにはならないだろうから、安定して入手できることを期待できます。価格は10,000〜15,000円程度になるかと思います。Raspberry PiではLinuxが動作します。また、もともと教育用として開発されたコンピューターでもあり、さまざまな面でコンピューターについて学ぶのに適した特徴があります。加えて、工夫次第でいろいろな面白いことをできる可能性を秘めています。

Raspberry Piはプログラミングを学ぶ環境としてはとても優れたコンピューターなのですが、やはりメインとなるパソコンが1台はないとOSがインストールできないなど、難しいところがあるので、2台目以降の候補になるかと思います。